翻訳  朴ワンソの「裸木」48

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翻訳  朴ワンソの「裸木」48<o:p></o:p>

 

151頁~153頁<o:p></o:p>

 

 私は彼から25ドルを受け取って写真を預かった。彼が立ち去った後も長い間写真を見ていた。見れば見るほど微笑ましく、そして家族、家庭、そんなものに対する郷愁を強く思い出させる写真だった。<o:p></o:p>

 

 日光が溢れる青い芝、善良な妻、まさに天使のような3人の娘、そうした所から遠く離れて彼は今はかない異国の町で、冷たい雪の季節を迎えているのだ。<o:p></o:p>

 

「シーバル」<o:p></o:p>

 

 金さんが犬を大声で呼んだ。<o:p></o:p>

 

「自分に元気をつけなきゃ」<o:p></o:p>

 

 銭さんが毛筆を投げると、煙草をくわえてライターをかちかち言わせた。古いライターは火花が散るだけで、火がつかなかった。<o:p></o:p>

 

「インソカ。それもライターだから持ってきてくれないかい? それより火打石を持ってきてくれ。火打石を」<o:p></o:p>

 

 金さんがまず自分で煙草に火をつけてから、ぺちゃんこになったマッチ箱をぽいっと銭さんの前に投げた。<o:p></o:p>

 

「雪がちらちらしていると言ったけど、もう終わりの時間だね」<o:p></o:p>

 

 年配だが、絵は遅く他人と交わろうともしない、第一の存在である、ぼんやりした白さんが、ニッケル紙の懐中時計のガラスを薄汚いハンカチで磨いているのだ。<o:p></o:p>

 

 私達肖像画部の唯一の時計。しかし誰もその時計の権威を認めようとしなかった。金さんは一つ一つ絵画道具を片づけたが、決してそれは白さんの時計が理由ではなかったようだ。<o:p></o:p>

 

「ああ、お腹が減った。このへそ時計は1分1秒も間違えないのさ」<o:p></o:p>

 

 清掃部の小母さん達はじょうろでタイルの床を濡らして、セールス・ガール達は夕方の化粧を始めた。夕方の時間はあっという間に窓の外が暗くなり、シャッターがゆっくり下りた。<o:p></o:p>

 

 私はしきりにいらいらした。セールス・ガール達がひねって塗る口紅の赤い先端が、唇を大胆に描いていく様子を見物するのが以前のように面白くも楽しくもなかった。私は見物を止めて、一日の計算を始めた。近頃めったにない少ない収入だったが、計算をよく間違えた。<o:p></o:p>

 

 私は、唇を噛んで頭を両手で抱えて、チンパンジーの所に寄って行かなければという考えと、そうするわけにはいかないという固い決意の間を幾度も行ったり来たりした。私は何もできず、ただそんなことだけ考えていた。<o:p></o:p>

 

「どうしたの。どこか悪いの?」<o:p></o:p>

 

 泰秀が肩を叩いた。私は溜まったカードとそろばんを突き出して、<o:p></o:p>

 

「全然計算が合わなくて…ちょっとしてくれない?」<o:p></o:p>

 

「ケッケッ、これしきのことを。うん分かった。今日まるっきり商売が駄目で元気がないね。チェチェ」<o:p></o:p>

 

 私は、うつぶせになったまま、彼が少し私を気の毒に思って見下しているのを感じた。私は頭をあげてぼんやりと少し笑った。<o:p></o:p>

 

「大丈夫かい? 疲れて見えるけど、本当にどこか悪いんじゃない?」<o:p></o:p>

 

 彼は息が届くほど顔をぴったり寄せて、私の顔色を真剣に探った。ようやく私は行くか行かないかの間を数知れず往復して、どのくらい疲れたかを感じた。まるで振り子のように忙しく単調な往復から逃れて、少し休みたかった。<o:p></o:p>

 

 彼の顔が近すぎて、私は椅子の後ろに頭を反らした。そうすると彼は手を額に当てた。冷たい手だった。<o:p></o:p>

 

「ちょっと熱もあるようだ、どう? 今日はミス・リーを慰めるつもりだったんだけど…」<o:p></o:p>

 

 彼は本当に狼狽するようにつぶやいた。<o:p></o:p>

 

「何があるの?」<o:p></o:p>

 

「いいや。ただ夕食でも一緒にしながら話でもしようかと…でも風邪を引いたんじゃない? 熱がこんなにあって、やはり流感のようだけど」<o:p></o:p>

 

「違うわよ。今日は美味しいものを食べたいわ。ついていくから」<o:p></o:p>

 

 私はいきなり心を決めて、陽気になった。<行こうか><行くまいか>のうんざりするほど落ち着かない往復から、容易く抜け出せたようだ。<o:p></o:p>

 

「ありがとう。食事のことでも少し割引があることはあるけど、あとで話す。本当に大丈夫?」<o:p></o:p>

 

「大丈夫だってば。もう一度手を当ててみて」<o:p></o:p>

 

「とにかくありがとう」<o:p></o:p>

 

 私は頭を上げて、真ん前で渇望と憧憬を漂わせる幼児のような顔を見た。私は彼の渇望が哀れで、少し前に私の額に当てた彼の手を掴んだ。手ごろな大きさで男らしく淡々とした手を、柔らかく愛撫した。嫌じゃなくむしろかなり気分が良くなる感触だった。<o:p></o:p>

 

 そうすると、相手が必ずしも泰秀である必要は別になく、ただ男性だという神秘的な性が、不意に私を誘い、私はやむなく彼との接触にうっとりと夢中になった。<o:p></o:p>

 

 まず、泰秀が私の手の間から自分の手を抜いて、ジャンパーのポケットに突っ込んで、照れくさそうに目を逸らした。赤く上気した片方の頬が見えた。そしてふとまたもう一人の泰秀がいたらと思った。私が気楽に無関心でいられる泰秀と時々、頻繁だが、愛着を持ち接触できる泰秀が、別々にいればと。<o:p></o:p>

 

 一人の人に勝手に愛着と無関心を気まぐれに繰り返すことは、どうしても少し残忍だった。<o:p></o:p>

 

 しかし、今私はまだ肌の快感の余韻の中にいた。<o:p></o:p>

 

「私達どこか静かな所で夕食をとらない?」<o:p></o:p>

 

 私は甘ったるく囁いた。<o:p></o:p>

 

「え? うん」<o:p></o:p>

 

 彼は別のことを考えていたように、うろたえてまた赤くなった。<o:p></o:p>

 

 泰秀の助けで計算を終えて、私達は一緒に街へ出た。雪は止んでいたが、積もった雪に足首まで埋まった。雪を素手で固めて蹴って、ずらっと何回か投げてしまうと、足の筋肉が爽快にほぐれた。<o:p></o:p>

 

「何かおごろうか?」<o:p></o:p>

 

 私はとても酸っぱい野菜のあえもの、温かい魚の辛い鍋、ちょうどよく焼けた厚くて脂っこいステーキ、そんなものを一緒に食べたかった。旺盛な食欲によって口によだれが出た。

                                      ー  続  -

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