翻訳2 別れの前後を振り返って

marigold0303

 

金融救済(IMF救済)時代に新たに家庭教師を雇おうと思う太っ腹な父母を探すことは簡単ではなかったからだ。それは彼女もまた遅からずいずれは失業する羽目に陥ることを意味した。彼は長いため息をついた。<o:p></o:p>

 

「怒ったの?」<o:p></o:p>

 

「いや、少し疲れたんだよ。」<o:p></o:p>

 

「今日大変だったわね? こっちに来て。私が抱いてあげるから。」<o:p></o:p>

 

「いいよ。このまま寝よう。」<o:p></o:p>

 

「まあ、すねたの!」<o:p></o:p>

 

いつの間にか態度を変えた彼女は顔を布団の中に突っ込んで、彼の股間に当てた。一方彼はテレビから視線を外さなかった。一人の候補は慶尚道で勢力を伸ばし、別の候補は全羅道の票を掘り起こした。そうして彼らはソウルに向かって徐々に進軍しているところだった。彼の股間に顔を埋めた彼女も徐々に火照っていた。彼もやはり同じだったけれど、頑張って表情を緩めずテレビに集中した。でも本当に気に入った候補がいるわけでもなかった。彼女の強い勧めがなければ投票したくもなかった。彼女の暖かい息遣いは萎えていた彼の物を少しずつ立ち直らせていた。仕方なく、彼もしばらく大統領選挙を忘れて、すねた気持ちも和らげて、布団の中に頭を突っ込まなければならなかった。<o:p></o:p>

 

「不安だわ。」<o:p></o:p>

 

しかし前触れなく飛び出る彼女の一言に彼は急激に冷めた。テレビの中に飛び込み大統領選挙に出馬して、社会のすべての不安をなくそうという公約でも掲げたい気持ちだった。布団の中の彼女はもう一度彼の股間にくっついて言った。<o:p></o:p>

 

ベッドの上で、すぐ崩れそうな墓の中から漏れてくるような一言を。<o:p></o:p>

 

「不安だわ。」<o:p></o:p>

 

 「なぜ、金の指輪を出せって?」<o:p></o:p>

 

「国の運命がかかる問題だから、もちろん私達も協力しなくちゃ。」<o:p></o:p>

 

「これは僕たちが出会ってから1年を記念して用意したカップルリングじゃないか。」<o:p></o:p>

 

彼は彼女のほっそりした指と自分のごつい指にきらきら光る金の指輪を憂鬱な目付きで眺めた。逃げようとする彼女の心を繋ぎ止めるために、酒代、飯代、本代を節約して、苦労して用意した指輪だった。その指輪が彼女の薬指を穏やかにくるんでいるのを見るたびに、彼は心の底から燃え上がる不安の煙をいくらか鎮めることができた。できれば彼女の薬指だけでも、突然太くなって永遠に指輪が抜けなかったらと思った。<o:p></o:p>

 

「どうして抜かないの?」<o:p></o:p>

 

彼はあまりにも簡単に彼女の指から抜けた指輪に恨めしそうな視線を向けた。<o:p></o:p>

 

「ここまでする必要はないじゃないか。大体僕たちが何で指輪まで出さなければいけないんだ!」<o:p></o:p>

 

「ぶつぶつ言わないで速く抜いて。」<o:p></o:p>

 

小さい指輪2個を銀行に渡してから、彼はまだローンがたくさん残っている彼女の小型車に乗って冬の海へ向かった。久しぶりに出かける旅行だった。指輪を渡してもらったお金では十分ではないけれど、海まで行けるガソリン代と宿泊代、そして食事代が解決できた。<o:p></o:p>

 

「履歴書出したのはどうなったの?」<o:p></o:p>

 

彼が補習塾にばらまいた講師履歴書のことだった。彼は返事の代わりにハンドルを握っている彼女の指についた指輪の痕を一瞥した。<o:p></o:p>

 

「連絡ないの?」<o:p></o:p>

 

むしろ国家経済をずっと心配すればいいのに、彼女はそうしなかった。<o:p></o:p>

 

「少し待たなければならないようだ。」<o:p></o:p>

 

「いつまで?」<o:p></o:p>

 

「連絡が来る所は報酬(給料)が大幅に削られるから、仕方ないよ。」<o:p></o:p>